

| 【写真】倒壊後のバム遺跡 |

| 【写真】倒壊したモスク |
| 2003年12月26日未明、バム市内にてマグニチュード6.3の大地震が発生し、この地震によって4万人以上の犠牲者が発生しました。この非常事態に対して、日本政府は直ちに国際緊急援助隊医療チームを現地に派遣するとともに緊急援助物資および多額の復興資金をイラン政府に対して無償提供しました。 2006年3月現在、バム市内には倒壊した家屋やモスクなどが地震発生直後の無惨な姿で横たわっていました。また、世界的にも有名なアルゲ・バム遺跡も全体の8割が倒壊する壊滅的な被害を被り、このアルゲ・バム遺跡を往時の姿に復元すべく修復作業が推し進められていました。アルゲ・バム遺跡の修復作業は日本からの援助物資であるユンボやクレーンなどの重機が使用されており、それらの重機には日本からの援助物資であることを示すステッカーが貼り付けられています。ステッカーには日本の国旗が描かれており、“FROM THE PEOPLE OF JAPAN”と記されていました。 アルゲ・バム遺跡を見学しているとき、一人のイラン人女性から、「あなたは日本人ですか?」と訊ねられました。重機に貼られている日本の国旗を指し示しながら日本人である旨を伝えると、その女性から「私たちを助けて頂いて、ありがとうございました。」とお礼を言われました。日本政府やNGO団体がイラン政府およびイラン国民に救いの手を差し伸べて、その善意が相手国の国民に伝わっているのです。 日本政府からODAの名目で多額の金銭を受け取っているにも関わらず、自国の国民にはその事実を積極的に知らせようとはせず、それどころか有ること無いことを並び立てて反日教育に勤しんでいるような国もあれば、日本からの援助を心から感謝しているイラン人のような親日的な国民もいます。同じお金なら、生きたお金の使い方をすべきではないでしょうか。 沢木耕太郎のベストセラー小説である「深夜特急」をモチーフにして、大沢たかお主演の「劇的紀行 深夜特急」という題名のテレビドラマが制作されました。ドラマの中には地震発生前のバム遺跡も登場します。 沢木耕太郎役の大沢たかおは、パキスタンの国境の街で名古屋出身の日本人男性と知り合い、旅の疲れで体調不良に陥ったこの男性を看病したことが縁となり、男性と共にイランに入国することとなりました(が、このエピソードは原作にはありません)。 男性は、大沢たかおに対して、「自分は長期休暇を利用して旅をしている会社員だ」と自分の身の上を語っていました。しかしこれは事実ではなく、長年真面目に勤めていた会社を突然解雇された身の上であり、今回の旅の目的は、自分が今まで歩んできた人生を見つめ直すため、そしてこれからの人生を切り開く活力を得るため、でした。 日が沈みかけたアルゲ・バム遺跡にて、男性は、大沢たかおに対して、旅を切り上げて日本に帰国する旨を伝えました。「本当はペルセポリス遺跡にも行こうと思っていた。しかし、このアルゲ・バム遺跡を見れただけで、もう十分満足した」と。 今となっては、この「劇的紀行 深夜特急」は、かつてのアルゲ・バム遺跡の姿が収められている貴重な映像となっています。
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