

| 【写真】 イラン・イラク戦争 戦没者墓地 |
| イラン・イスラム共和国が樹立された直後の1980年9月22日、イラク国内にイスラム革命が波及することを恐れたサダム・フセイン大統領率いるイラク軍は、革命によってアメリカ政府の後ろ盾を失ったイラン領内に軍事侵攻を開始し、1988年8月23日にイランが国連の即時停戦決議案を受諾するまでの8年間、両軍ともに一歩も譲らぬ熾烈な戦いを続けました。 膠着状態に陥った戦況を打開すべくイラン軍は、イラク軍が敷設した地雷原を突破するために兵士が人柱となって地雷原に身を投げ出して進路を確保するという痛ましい作戦をも遂行しました。そしてこの8年間にも及ぶ長い戦争により、将来を嘱望されていた多くの若者たちは尊い命を戦場で落としました。 イスファハン郊外にある戦没者墓地を訪れたとき、イラン・イラク戦争によって最愛の息子を失った年老いた父親が、墓石に据え付けられている遺影に何度も何度も繰り返し口づけをして、嗚咽を漏らして泣いておられる場面に遭遇しました。日々の生活のなかで何か辛い出来事が起こり、そして今は亡き息子のことを思い出してこの地を訪れたのかもしれません。戦争終結から既に相当の歳月が経過しますが、歳月の経過によってすら忘却することができない心に受けた傷や痛手を、今も多くのイラン国民は背負って生きていることを改めて実感した出来事でした。
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