イスファハン6

イマーム広場の馬車

【写真1】イマーム広場の馬車

イマーム広場で遊ぶ子供たち

【写真2】 イマーム広場で遊ぶ子供たち


イランの街を歩いていると、日本語で話し掛けられることがよくあります。日本語の習熟度の度合いは人によってかなりの差があり、かろうじて簡単な日常会話を成立させることが出来る初級レベルの者から流暢に日本語を操れる上級レベルの者まで、実に多彩です。

イマーム広場には、観光のために当地を訪れている日本人旅行者に日本語で声を掛けて自身が勤務している絨毯屋へ誘導する客引きや、特定の絨毯屋や土産物店と提携をして客引きをしているフリーの客引きがいます。客引きは旅行者とイラン旅行に関する話題やイマーム広場に関する話題などを会話して打ち解けたのち、絨毯の購入をそれとなく勧めるのです。そしてフリーの客引きは旅行者が購入した商品代金の何割かの金銭を成功報酬(紹介料)として絨毯屋から受け取る仕組みになっています。

最初に自分の素性を明らかにして、なおかつ旅行者の要望に沿って、旅行者が希望する商品を斡旋するコーディネーターになるのなら何の問題もないのですが、フリーの客引きのなかには自分の素性を明らかにせずに旅行者に接触を試みる者もいます。このことが原因となり、時にはトラブルに発展することがあります。騙した、騙されたという具合に。しかし、このような問題点はあるものの、客引きは旅行者に対して商品の購入を強要するようなことはしません。トルコ・イスタンブールの悪徳絨毯屋のように、「見るだけ、買わなくてもいいから」などという言葉に騙されて来店した旅行者を大柄な体格の男たちが取り囲んで威圧するようなことはせず、商品を購入するまで監禁するような悪質なこともしません。

言わずもがなですが、大の大人が平日の昼日中から無報酬で観光客のお世話なんかできる訳がありません。それも毎日のように足繁くイマーム広場に足を運んで。北欧の国々のような「ゆりかごから墓場まで」の手厚い社会保障制度があればそんな自由気ままな生活を送ることもできるのでしょうが、イランにはそのような社会保障制度はありません。ごく一般的なサラリーマンの例で言うと、額に汗して懸命に働いたとしても、月給にしてせいぜい200ドル程度の給料にしかならないのです。つまり、彼らは客引きをすることでそれと同等か若しくはそれ以上の稼ぎを得ていることになり、その稼ぎは旅行者が絨毯屋に支払った金銭から拠出されているのです。

「イランはペルシア絨毯の本場だから、安く絨毯を買うことが出来るはず」などと言う先入観を持っていると、とんでもない散財をしてしまうかもしれません。常日頃より絨毯に興味を抱いている人であるとか、絨毯の買い物ツアーに参加して現地に訪問している人ならいざしらず、品物の善し悪しの見極めができない人は手を出さないほうが無難かもしれません。(↓続く)


アーリ・ガープ宮殿

【写真3】 アーリ・ガープ宮殿のバルコニー


アーリ・ガープ宮殿は、その卓越した政治的手腕でイスファハンの名前をヨーロッパ諸国にまで轟かせたアッバース1世(アッバース大帝)の時代に建設工事に着手し、後継者であるアッバース2世の時代に完成しました。現在はイマーム広場と呼ばれている広場は、かつては「王の広場」と呼ばれ、ポロ競技を行う競技場として使用されていました。そして当時の権力者であったアッバース2世は、執務の疲れを癒すために宮殿に据え付けられたバルコニーからポロ競技を観戦していました。今から300年以上も昔の話です。

アーリ・ガープ宮殿について(追記 06/02/10)

2005年6月、アーリ・ガープ宮殿のバルコニーに足場が組まれて、屋根の補修工事が行われていました。屋根の木材が経年劣化によって腐食しているため、この腐食した箇所を除去して新しい木材を屋根に貼り付けて補修工事が進められていました。

補修工事しなければ建物は崩壊してしまう訳ですが、補修することによって建物のオリジナリティーも損なわれることになりますので、少し複雑な心境になりました。

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