ネイシャーブール

ネイシャーブール旧市街地跡

【写真】旧市街地跡


ネイシャーブール市街近郊にモンゴル人によって蹂躙されたかつての旧市街地跡があります。今から約900年ほど前、その当時破竹の勢いで進軍していたモンゴル兵の騎馬軍団がこの地に突如襲来し、家々を焼き払い、住民たちを虐殺して、街を滅ぼしました。その後、旧市街地は放置され、時代の経過と共に当時の惨劇は人々の記憶から次第に忘れ去られることとなりましたが近年、政府によって旧市街地跡の発掘調査が開始されました。発掘調査は旧市街地跡のごく一部の区画しか行われていませんが、発掘場所には、兵士によって頭を槍のような物で突き刺された男女の遺骨が、殺害当時のままの姿で、互いに寄り添うような姿勢で、体を“くの字”にした状態で横たわっていました。また、苦痛によって悲鳴を上げながら絶命したと思われる遺骨も幾つかありました。

この発掘現場には数名の管理人が常駐していますが、写真撮影を禁ずる注意書きが一切無かったこともあり、一枚だけ写真を撮影しました。しかし撮影直後、突如管理人が現れ、「今直ぐカメラを渡すか、フィルムを渡すかのどちらかを選びなさい」と要求してきました。その場に居た、この旧市街地跡を紹介してくれたイラン人が咄嗟に機転を利かして、「この人は視力が悪いから、カメラの望遠レンズを使って見物していたんだよ。写真は撮っていないよ」と取り繕ってくれたお陰で、その場は何とか丸く収めることができました。カメラには50mmの単焦点レンズが取り付けられていたのですが。

イラン人にとっては負の遺産であるこの地を、外国人に撮影されたくなかったのかもしれません。

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