

| 【写真】シューシュ遺跡にて |

| 【写真】ダニエル廟 |
| 早朝にアフヴァーズ市内からシューシュ遺跡(スーサ遺跡)へと向かいました。シューシュはアケメネス朝ペルシア時代の冬の首都であり、夏の首都はハマダーン市内にあるエクバタナでした。冬は温暖なシューシュ、夏は涼しいエクバタナと、季節に応じて首都を使い分けていました。 遺跡に到着したときには気温は既に40度を越えていました。当地を訪れたのは6月初旬でしたが、真夏に当地を訪れるにはかなりの勇気と体力が要求されそうです。その逆に、真冬に当地を訪れたなら、快適に観光することができるでしょう。 遺跡がある一帯には朽ちた石柱や彫像がわずかに点在するのみで、往時を偲ばせるような遺物はあまり存在していません。ペルセポリス遺跡とは比べようがないくらいの、見所の少ない遺跡だと思います。聞くところによると、ペルセポリス遺跡は一部の人のあいだでガッカリ名所などと揶揄されているそうですが、ペルセポリス遺跡を見学してガッカリするようであれば、この遺跡に訪問するのは差し控えた方が良いでしょう。 遺跡の敷地には、かつてこの地で発掘作業に従事していたフランスの考古学調査隊が築いた建物が残されています。建物の外観はアケメネス朝時代の様式に合わせられており、遺跡の景観を損なわないように配慮されています。また、建物の周辺には遺跡発掘の際に使用されたトロッコなどの道具類が展示されています。 シューシュ遺跡からそう遠くない場所に、ダニエルの棺が納められたダニエル廟が建てられています。ダニエル(別名:ベルテシャツァル)は旧約聖書のダニエル書に登場する預言者であり、ダニエルとアケメネス朝ペルシアの王であったダレイオス1世(ダリヨス)とのエピソードはダニエル書6章に記述されています。 あるとき、神にお祈りを捧げていたダニエルは、国王に対する不敬の罪で告発されてしまいます。ダレイオスが永遠に生きられるよう、30日間は人にも神にも祈願してはならないと言う法律を破ったためでした。この法律を破った者には獅子がいる穴に放り込まれる刑罰が定められていました。 ダニエルを重用していたダレイオスは何とかしてダニエルの命を救おうと試みましたが、どのような理由であれ、法律を破ることは治世の乱れにつながるため、王ですら、法律を蔑ろにすることは許されませんでした。 とうとうダニエルは獅子のいる穴に放り込まれました。その翌日、ダレイオスはダニエルが放り込まれた穴に向かって呼びかけました。「生ける神のしもべダニエル。あなたがいつも仕えている神は、あなたを獅子から救うことが出来たか。」(ダニエル書6章20節)と。するとダニエルはこのように答えました。「王さま。永遠に生きられますように。私の神は御使いを送り、獅子の口をふさいでくださったので、獅子は私に何の害も加えませんでした。それは私に罪のないことが神の前に認められたからです。王よ。私はあなたにも、何も悪いことをしていません。」(ダニエル書6章21〜22節)。
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