シリアの旅

ウマイヤド・モスク

【写真】ウマイヤド・モスク

ヨハネの霊廟

【写真】ヨハネの霊廟


テヘラン発ダマスカス行きの国際列車に乗車して、シリアの首都であるダマスカスに到着しました。列車はダマスカス市内の中心部より5キロほど離れたカダム駅に到着し、そこからタクシーに乗ってマルジェ広場に向かいました。

マルジェ広場の近くにある安宿を探して歩いているとき、親切な日本人夫婦に声を掛けられ、安宿まで連れて行ってもらえることになりました。幹線道路に面した細い路地を進むと、そこにアル・ラビ・ホテルがありました。宿の経営者は気さくな人で、アメリカのコメディー映画に出てくるような風貌と声の持ち主でした。

マルジェ広場の近くには、かつてダマスカスの鉄道の玄関口として利用されていたヒジャーズ駅があります。現在の駅舎は書店や喫茶店として利用されており、かつて敷設されていた線路やプラットホームは跡形もなく撤去されて、しかも地面は数十メートルも掘り返されていました。どうやら駅周辺の再開発が予定されているようですが、現況を考えると、ヒジャーズ駅跡と呼ぶべきでしょう。市内へのアクセスの良さを考えるとカダム駅よりヒジャーズ駅の方が利便性が良く、国際列車の発着駅としてもヒジャーズ駅の方が適しているように思います。

翌日、市内にあるウマイヤド・モスクに行くと、日本の大手旅行会社が主催したパックツアーに参加して当地を訪れている、老若男女と出会いました。また、多くのイラン人観光客と出会いました。耳慣れないアラビア語に混じってペルシア語が聞こえて来ると、懐かしい気分になりました。これらのイラン人を相手にした商売も成り立っており、道ばたでジュース売りをしていた少年は、イラン人相手にペルシア語を使って器用に応対していました。イラン人に混じって、ペルシア語でジュースの値段を聞いたところ、少年に「あなたはイラン人?どうしてペルシア語を話しているの?」と尋ねられました。聡明な少年ですから、たぶん英会話も堪能なのでしょう。

ウマイヤド・モスクの内部には、新約聖書に登場するバプテスマのヨハネの霊廟が建てられています。ヨハネは、ヘロデ王の命令により斬首されてしまいます。「そこで、王は、すぐに護衛兵をやって、ヨハネの首を持ってくるように命令した。護衛兵は行って、牢の中でヨハネの首をはね、その首を盆に載せて持って来て、少女に渡した。少女は、それを母親に渡した。」(マルコの福音書6章27〜28節)

 

まっすぐな道

【写真】まっすぐな道

アナニヤ教会

【写真】聖アナニヤ教会


ウマイヤド・モスクの脇からバーブ・シャルキー(東門)まで、まっすぐな道と呼ばれる道が延びています。このまっすぐな道は、新約聖書に登場するパウロ(サウロ)がキリスト教徒に回心した場所として知られています。もともとパウロはキリスト教徒を弾圧する立場にいましたが、ダマスカス(ダマスコ)の近くまで来たとき、稲光を受けて、地面に倒れ込み、「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか。」(使徒の働き8章3節)という声を聞きました。声の主はイエス・キリストでした。その後、パウロは3日間も目が見えなくなり、飲み食いすることもままならなくなりました。そこで、イエスは弟子のアナニヤに対して、まっすぐの道を行き、パウロの上に手を置いて、パウロの目が見えるようにすることを命じました。そしてアナニヤがイエスの命令に従うと、パウロの目は再び見えるようになりました。「するとただちに、サウロの目からうろこのような物が落ちて、目がみえるようになった。」(使徒の働き9章18節)

かつてアナニヤが住んでいたとされる場所には聖アナニヤ教会が建てられており、教会の地下は礼拝堂として公開されています。また、この地でパウロが経験した奇跡を伝えるため、日本語で書かれたパンフレットが教会の壁に掲示されていました。

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