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イランのタクシー事情

正規のタクシー

【写真】 正規のタクシー


イラン国内で営業しているタクシーを分類すると、(1)空港から指定された場所まで顧客を送り届ける、政府より正式に認可されて営業しているエアポートタクシー(2)電話による顧客からの配車要請に応じて、自宅や会社などにいる顧客を迎えに行った後、指定された場所まで顧客を送り届ける、政府から正式に認可されて営業しているテレホンタクシー(3)街なかを走行しながら顧客を拾う、政府より正式に認可されて営業しているタクシー(4)政府の認可を受けずに無認可営業しているタクシー(5)特定の場所から特定の場所まで複数の顧客を車に乗せて送り届ける、政府の認可を受けずに無認可営業している、サバリーと呼ばれる乗り合いタクシー(6)特定の場所から特定の場所まで複数の顧客を車に乗せて送り届ける、政府より正式に認可されて営業している、シャトルタクシーと呼ばれる乗り合いタクシーがあります。政府に認可されて営業しているタクシーか否かを判断するポイントは、車体にラインが描かれているかどうか(↑写真参照)、屋根の上に表示灯が付いているかどうかを観察して、判断します。

この6種類のタクシーのなかでもサバリーは特に経済的であり、もし自由に乗りこなすことができるなら、街の移動は格段にラクになります。しかし乗り場がどこにあるのか非常に分かりづらく、場合によっては通常よりも割高な料金を請求されることがあります。また何れのタクシーにも当てはまることですが、地理不案内によって指定された場所まで顧客を送り届けることができないドライバーも少なからずおり、結果として、タクシーとしての役割を果たしていないことがあります。

テヘラン近郊のカラジからテヘラン市内までテレホンタクシーで移動したときのことですが、ドライバーに料金を尋ねても「距離によって料金は決まるから、答えられない」と言われ、答えてもらうことができませんでした。しかしタクシーには料金メーターは装備されておらず、ドライバーはおもむろに車の積算距離数を紙切れに書き写すと、目的地に到着後、走行後の距離数から走行前の距離数を引き算して料金を算出して、算出基準が曖昧な料金を請求してきました。おまけに道が分からない様子で、あちらこちらを迷走した挙げ句、結局は目的地に辿り着くことができませんでした。この迷走した分の距離数も、料金の一部として請求されていることになります。イラン国内でタクシーを利用する際は、事前に交渉して料金を決定するのが一般的です。ですから、メーターで料金を算定するという話はあまり聞いたことがありません。

また、別のテレホンタクシーに乗車中の出来事ですが、帰国の途に就くため、カラジからメフラーバード国際空港へと続く高速道路を走行中、タクシーと一般車両双方による無理な追い越しが原因で接触事故が発生してしまい、現場に足止めされたことがありました。しかし幸いなことに双方の車の損傷は小さく、お互いの責任を追求しないことで示談がまとまり、予定していた時間に空港に到着することができました。もし警察を呼んで事情聴取や実況検分などをしていたら、大幅に到着時間が遅れて飛行機に乗り遅れていたかもしれませんでした。その場合、タクシー会社やドライバーに損害賠償請求をしても徒労に終わることが予想されます。またタクシーは安全上問題のある車が多く、事故の際はかなりの身体的なダメージを負うことが予想されます。その際も、補償は全く無いか、または無いに等しいことでしょう。

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